2025年9月20日版
CAEと生成AI
AAC株式会社代表取締役 浅香忠満
はじめに
製造業で使われるシステムにはCAD、CAM、CAE、PDM/PLM/BOM、BOP、IoT、XR
(VR/AR/MR)、AI/外観検査、AI/予知保全、ERP、SCM、文書管理システム、過去トラシス
テム等、広範囲に渡ります。
これらのうち人が考える作業が多く、引継も難しいのは、CAEが一番ではと考えています。
CAE作業者の負担を少しでも軽くし、作業(解析条件、結果評価等)の抜け漏れを出来る
だけ排除する為に、生成AIは課題解決の有効活用の1つと考えます。
現在は設計者向けCAEも増えており、必ずしもCAE専門家でない場合もあります。
ここでは、CAEのどんな作業で、どのように生成AIを活用するのかについて、CAEの業務
フローを交えてご紹介させて戴きます。
今後、実行結果を含めて徐々に情報を増やして参ります。
2025年9月19日作成
本編
当社生成AIツールGPBの概念図は以下の通りです。
CAE作業手順
一般的なCAE作業は以下の通りです。
1 課題の明確化
2 CAE作業の目的を明確にする。(構造、流体、熱流体、機構、・・・)
3 過去の類似解析を参照する。
4 使用するCAEソフト(形状モデル、プリ、ソルバー、ポスト)を選定する。
5 形状モデリング又は相当作業を行う。
6 メッシュを切る。
7 解析条件を与える。但しケースは複数ある場合もあるので、各々準備する。
8 ソルバーを実行する。
9 解析結果を取込んで、ポスト作業を行う。
10 解析結果報告書を作成し、関係者に共有する。
CAE作業の特色
CAE作業の特色は以下の通りです。
1 人間系の作業が多く、上記作業手順で自動でやってくれるのは8のみです。
2 ソルバー実行以外は人間の判断で、その判断方法が個人依存です。
3 これら判断は必ずしもマニュアルがある訳ではないので先輩や同僚に聞きます。
4 CAE作業者は比較的プライドが高く、人に聞くのも避ける傾向があります。
5 属人性や自分の価値向上の為、人に教えたがらない人もいます。
CAE作業の課題解決方法
CAE作業の課題解決方法と今後の対策は以下の通りです。
1 これら判断は、現状では先輩、同僚、場合によっては後輩の経験者に聞きます。
2 もしプライドや人に教えたがらない場合、新たな相談先が必要です。
3 この課題解決には社内ナレッジが蓄積された相談ツールが必要です。
4 ただ、教えたくても過去のCAE作業結果が管理出来ておらず、思い出せない。
5 過去のCAE結果はCAEデータ管理システム等で管理されているが、検索に難有。
CAEデータの機密性
CADもCAMも機密情報で、PLM/BOP、IoT、XRもそれに次いで機密レべルが高いです
が、CAEのデータはCADやCAMよりも機密性では上だと考えています。
この機密性は社内サーバでもオンプレサーバである必要があると思われます。
CAEで生成AIを考える時、オンプレサーバに対応した生成AIツールが望ましいと考え
ます。
社内専用生成AIの登場、GPB
上記課題解決方法で当社がやっている生成AIツールGPB、場合によっては現在進行
中のAIエージェントが必要になって来るのは自明の理であり必要なツールと言えます。
どこまでをGPB単独で行うか、どこから先でAIエージェントの力を借りるか等、お客様
の社内事情にも応じた対策が必要です。
また機能としてはテキスト処理以外にマルチモーダル(画像分析、動画解析、音声)処
理も出来るので、特に画像の多いCAE作業にも向いていると考えます。
無論、オンプレサーバ(社内情報のみ)にも対応しています。
CAE作業でのGPB構築
当社GPBは社内の情報を社内の環境に構築し、相談内容によっては外部のLLMも
参照して最適回答する仕組です。
上記特色、課題、課題解決を実現するには、以下の手順で行います。
1 対象ファイルの整理(後世に残したいファイルの整理)
2 GPB学習前審査(正しいか、異なる説はないか、後世に残して良いか)
3 GPB学習(GPBの学習機能を利用してCLMを構築)
4 GPB検証(正解がわかっている質問をして、回答の信頼性を評価)
5 GPB検証結果報告書(使用したデータ、回答信頼性評価結果)
当社はCAEがわかる技術者もいるので、生成AIとCAEの両面からコンサルすることも
出来ます。
当社GPBにはサービスメニューがあり、無料枠もあるので、活用をお奨めします。
関連サイト
カタログ AAC生成AIツール”GPB”のご紹介(印刷用)
生成AI経緯 AAC生成AIヒストリー
動画サイト AACYouTubeサイト
